マンスリーコラム

未来を担う若者を支え、温かく応援できる存在でありたい

小関 美江(こせき みえ)

大学卒業後、大手IT企業、婚礼企業を経て、人材教育企業にてキャリア支援・社員研修に従事。行政のキャリアカウンセリングや大学講義、現在NPO法人にて就労・就学に困難を抱えた若年層の支援に携わる。

認定NPO法人Switch 理事・仙台NOTE統括ディレクター

【資格】

2級キャリアコンサルティング技能士

国家資格キャリアコンサルタント

産業カウンセラー

未来を担う若者を支え、温かく応援できる存在でありたい

●人は誰もがかけがえのない自分だけの宝物を持っている


  「はたらきたい」「でも自分には何の取り柄もない・・・」

この思いの狭間で揺れ続けながら、動き出せずにいる方は少なくないと思います。

でも、全ての人には、必ずストレングス(強み)があります。

100人いたら100人が違う才能を持っていて、それはその方だけのかけがえのない宝物だと思っています。

自信がない方、不安を持っている方は、素敵な宝物を持っていても、そこに気づいていない、または思い出せなくなってしまっている方が殆どです。

私はそういった方々に寄り添って、その方の魅力を見つけ、強みを引き出すためのお手伝いをしています。

良いところを見つけたら、どんどん伝えて行きます。自分の良いところを探し、受容することで、自分自身を取り戻すきっかけになり、リカバリーを遂げていく方をたくさん見てきたからです。

この「宝物探し」は、自己肯定感への支援としても私がとても大切にしているものです。


●若者を社会で支える視点を持ち、無限の可能性を応援する


  私は現在、NPO法人にて困難を抱えた若年層の就労支援に携わっています。

一緒に将来について考えたり、できることややりたいことを探したりなど、気持ちに寄り添いながら、自分らしい仕事を見つけるためのお手伝いをしています。

そのための環境調整として、大学や高校、支援機関等と連携して就労や復学についての相談を行ったり、地元企業へのインターンシップを紹介するなどして、はたらく経験の少ない若者を働く場に繋いでいます。マッチングに合わせて、時には企業開拓も行います。雇用構造の変容に伴い、既存の就活に乗れない方々が、もっとオルタナティブに就活をする場があっても良いのではないか、そんな思いで、日々模索しながら、挑戦を続けています。

  相談に来る方は、過去に不登校やひきこもりを経験していたり、一度就職はしたけれど周りとの関わりが上手くいかず仕事に行けなくなってしまったり、仕事が覚えられず自分に何ができるのか分からなくなってしまったりなど、様々な悩みを抱えていますが、その背景には、精神疾患や発達の課題、生活困窮に関する課題、家族の就労問題、被災地特有の生活課題など、現代の社会的背景にある課題を抱えていらっしゃるケースが殆どです。ですので、単なるワークキャリアへのアプローチではなく、本質的な課題や環境調整も含めた包括的なアプローチが必要であり、そのためにキャリアコンサルタントは適切な社会資源を把握し、多分野の支援者と連携して主体的に動く、ソーシャルワーク的な動きが必要となります。

  又キャリアとメンタルの問題は切り離せない部分であり、課題を抱えた相談者が前を向いて問題に立ち向かうには、支援者の温かい承認が何よりも必要であると感じています。ですので、私自身相談者とのラポール形成をとても大事にしています。

無条件に温かく受容し、共感的理解を持って、根気強く、こころの声を聴く。

キャリアの勉強で一番初めに学んだ傾聴の基本が、表面だけでは見えない真の問題を把握し、解決の糸口が掴める武器であると、改めて感じています。

  日々勉強の連続ですが、若者が体験を通して自身のストレングスを見つけ、困難を乗り越え自分の力で変わっていく姿は本当に逞しく、その無限の可能性に力を頂いています。そしてそのために環境を整えきっかけを作ることが大人の役割だと思っています。

これからも未来を担う若者を社会で支えていくという視点を持ちながら、温かく応援できる存在でありたいと思っています。


●私の凸凹キャリアを振り返って今見えてきたもの


  最後に私自身のキャリアについても触れたいと思います。

新卒入社でIT企業の営業職に始まり、ウェディングプランナー、教育関連企業の営業職・キャリアカウンセラー、そして現職。その中で、今思えば転機だったと思われることが二つあります。

一つ目は、新卒で10年勤めた会社を辞めた時。

転勤で地元仙台に戻り、仕事もプライベートもうまく行かなくなって、結局辞める選択をしたけれども、アイデンティティの喪失感で自分の生き方を見失ってしまったとき。この時人生を仕切り直しとばかりに徹底的に自己分析を行い、少しでも興味を持った職業や会社があれば直接足を運び自分の目で確かめ、はたらくことに徹底的に向き合った経験が、数年後の仕事に繋がり、今の仕事の基盤となっています。

二つ目は、出産。

長女を出産したときは仕事が絶好調の時期。そのまま育休を経て営業職で復帰しましたが結果を出せず、保育園のお迎えの帰りに娘をだっこして泣きながら帰る日も度々。ただこのとき上司に社員研修の役割を頂き、これがハマったことで社内に自分の居場所を見つけることができ、この経験が後に講師の仕事に繋がることになりました。

この二つの出来事は予期せぬ出来事ではありましたが、どちらも結果的に今の仕事に繋がっており、これこそプランドハップンスタンスセオリーそのものだと思っています。

  また、仕事と育児とのバランスがとれず余裕がなくなったとき、ライフキャリアレインボーを心に描きます。社会や家庭で様々な役割の経験を積み重ねてキャリアが形成されるというこの概念は、ワーククキャリアにばかり執着していた私が、これでいいんだ、と人生をライフキャリアの視点で捉え、多様な役割が今後より支援の幅を広くすると気づかせてくれたものです。

  そう考えると、人のためにと始めたキャリアの勉強も、自分自身の人生を励まし勇気を与えてくれるものになっていることに驚かされます。また山あり谷ありだった私の凸凹キャリアも、気づけば一本の道に繋がっていて、共通しているのは「人に喜んで頂き、笑顔が見ることができる仕事」。その軸と経験が私のストレングスであるように思います。

多様な役割から得られるしなやかな視点を支援に活かしながら、仕事を通して幸せになる人を一人でも多く増やしていけるよう、若者が夢を持って働ける社会作りのお役にたてるよう、これからも日々学び成長して行きたいと思います。


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コラムの感想等はこちらまで (協議会 編集担当)
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